ドメイン所有権を移管してもらえない?よくあるトラブル
女性起業アドバイザー&集客コンサルタント 吉枝ゆき子です。
ホームページのリニューアルのご依頼をいただくにあたって、
「『ドメインの管理画面へのログイン情報』と『レンタルサーバーの契約画面へのログイン情報』を教えていただけますか?」
とお願いすることになるのですが、
時々、以前のホームページ制作者さんに代行して行ってもらっていて、この2つの契約内容を把握できていない方もいらっしゃいます。
いざ、別の会社さんに変えてサイトの修正を行いたいと思った時によくあるトラブルが下記のような内容です。
・「ドメインの所有権が以前の制作者名になっている!?」
・「ドメイン管理会社の契約が自分の名義になっていない。」
・「レンタルサーバーの契約名義がホームページの制作者になっている!?」
・「ドメインの管理画面やレンタルサーバーの管理画面へアクセスする情報を教えてもらえない!!」
このようなご相談は本当に多く、何度かアメーバブログでも書いたりしていたのですが、
先日もまた同じようなケースがあり、
個人の制作会社さんに起こるケースかと思っていたら、会社規模がそこそこの制作会社でも常時、行われているところがあったので、
「それっておかしいですよ!」
ということを、声を大にして伝えたいので、改めて書いておきます。
ドメインやレンタルサーバーの契約の代行を依頼してはいけないの?
ホームページを立ち上げるにあたって必要になる「ドメイン」や「レンタルサーバー」といった初めて耳にする言葉は本当に難解ですよね。
ホームページ制作者さんに「丸投げ」したくなるのは分かりますが、これらの契約内容をしっかり把握しないままに代行を依頼してしまうことでどのようなリスクがあるのかご存知ない方が多いです。
簡単に説明すると「ドメイン」はインターネット上の自分のホームページのアドレスにあたるURLになるものです。「https://〇〇〇.com」など自分のホームページにたどり着いてもらうために欠かせないアドレスは、言ってみればインターネット上の自分の事務所の「住所」のようなものです。
自分の家を購入したらその所有権を明らかにするために「登記簿」に登記の手続きをしますよね。それと同じく、インターネット上の住所であるドメインは、世界中で重なることがないようにドメインを管理する仕組みの中で「登録」手続きをして、その所有者が誰なのかが管理されています。
ドメインを取得するにあたっては「ドメイン管理会社」を通してそのド「メインを使用する権利」を取得します。
「家」の登記は「司法書士」さんなどに手続きを代行してもらうことはあると思いますが、インターネットの自分の「家」の名義が「自分の名前」ではなく、手続きを代行してくれるはずの「司法書士」さんの名前になっていたらビックリしますよね?
自分の家なのに、別の人に「所有権」を主張されかねない。
最悪の場合、その所有権を主張することをあきらめなくてはいけない。
そんなリスクがあることを知っておかなくてはいけません。
実際起こっている、「ドメインの所有者がホームページの制作者になっている。」「ドメインの管理会社の契約情報を教えてもらえない。」ということで、自分のホームページのドメインの所有権が主張できなくなり、
「自分のホームページの『ドメイン』を泣く泣く手放した、という方もいらっしゃるのです。
『使ってきたドメイン』を手放すことで被るデメリット
使っていたドメインを取得することでホームページのアドレスが変わってしまうと、「お気に入り」に入れてもらっていたお客さんがホームページにたどり着けなくなって、お客を失うことになる可能性があります。
また、独自ドメインはビジネス用のメールアドレスとして使うことも多いので、同じくお客さんとやり取りに使っていたメールアドレスが変更になり、既存のお客さんが連絡することが出来なくなってしまう可能性も出てきます。
また、検索結果の順位が決まる一つの要因の一つに「ドメインが長く使用されていること」ということがあります。長く運営されているサイトは、それだけGoogleからの信頼高く評価され、検索結果の順位が上位になる可能性があります。また、色んなサイトからのリンクやSNSなどで紹介されたリンクなどがあることも、Googleからの評価基準の一つなのですが、新しくドメインを取得してそちらを使うことになると、こうした「被リンク」も失くことになるため、検索順位も下がる可能性が高いのです。
私自身は、このデメリットを一番大きいと考えているので、何としても「ドメインはご自身のものに取り返す」ように強く後押しします。「ドメインの価値」を考えると、簡単に手放してしまうのはあまりにもったいないのです。
逆に、ドメインの価値を知っているホームページ制作者さんは、これを盾にして不利な条件を提示されてきます。
ドメインの契約手続きをホームページ制作者さんに代行してもらうことをお願いした時に、本来のホームページの所有者である経営者の名前になっていればいいのですが、ホームページの制作者さんの名前で契約されてしまうことがトラブルの元になります。
ドメインを取得するには、通常「ドメインの管理会社」にアカウントを開設し、その管理会社を経由して「ドメイン使用料」を払うことになります。
ドメインの取得手続きの中で、「ドメイン使用料」の支払い手続きが必要であったり、所有者の個人情報なども入力する必要があるため、そもそも経営者の名前での契約手続きを代行することはかなり面倒なことなのです。
住所や連絡先情報、成年月日が必要になることもありますし、支払いをクレジットカードにするならクレジットカードの情報も必要です。
税金でもある国の予算による「IT補助金」などを活用して契約、制作されたホームページだったため、依頼される場合には、ぜひ知っておいて欲しいです。
元々、「ドメイン」とか「レンタルサーバー」とか、よく分からないままに制作会社さんに依頼して契約手続きをお任せしてしまっていたりするので、「教えられません」とか「セキュリティの関係でサーバーの情報は教えられません」とか言われて、泣き寝入りしてしまうケースもとても多いのを耳にします。
Facebookで書いた時には、制作者側の方からも「親切で代行しています。問題になりますか?」というコメントもよくもらうので双方に意識しておくことが必要なことなのかと考えています。
時には、レンタルサーバーの契約プランもよく理解されていなくて、「月額500円で請求されて支払っていたので、てっきりレンタルサーバーの月額500円のプランを契約していると思っていた」のに、私がログインしてみたら、どうも「あれ?表示されるはずの機能がない?」と思って確認してみたら「月額250円のプランの契約だった!」ということも。
ロリポップのレンタルサーバーでは、月額250円のプランと月額500円のプランがあります。それ以外のレンタルサーバーでも、月額2000円請求されているので「おそらくこの2,000円のプランだと思います。」とおっしゃる場合でも「月額1,000円のプランが契約されている可能性も否定できない。」ですね。ホームページを使っている限り、その違いに気づく機会はなかなかないので。
ドメインやレンタルサーバーの契約は自分で行いましょう
ドメインの契約とレンタルサーバーの契約。この2つは、自分のホームページが自分のものであり続けるためにとても大事なものなので、ご自分で契約されるのがおすすめです。
それでも、手続きの途中で聞かれる「オプション」など、分からないだらけ、という方も多いかも知れません。
そんな時でも、制作者の方に同席してもらったり電話やオンラインでサポートを受けながらでもいいので「自分で」契約しましょう。
生年月日や支払いのクレジットカード情報など、代行をお願いするには必要な「個人情報」も多いのです。
それが「ホームページ制作者名義での契約」を行うことになっている背景があります。制作者さんの多くは「親切なサポート」として「名義も貸したつもり」で行っているという方もいらっしゃるようです。
それでも「契約」は「契約」。
ビジネス上の「契約」の名義が誰なのか、は、大事なことに違いはありません。
そして、トラブルは「関係がこじれた時」にこそ起こるということを忘れてはいけません。
離婚の時に財産分与でもめることが多いのと同じです。
事業の基礎であり、もし失った時にビジネスの継続が危うくなる可能性もあるドメインやホームページ。
しっかり「自分の名義」で契約しておくことをおすすめします。